『環礁』(かんしょう)は、中島敦の短篇紀行集である。副題は『ミクロネシヤ巡島記抄』。全6篇。作者の中島敦は公学校用の教科書編纂のために1941年(昭和16年)7月から1942年(昭和17年)3月まで、南洋庁の官吏としてパラオに赴任しており、その間に南洋群島各地の学校を視察するかたわら様々な物を記録している。本作には南洋特有の珍しい文化や風物だけではなく、島民と内地人との人間関係や日本の統治下で暮らす島民の様子、そして当時の日本人の南洋観など、日本統治時代の南洋ならではの題材も取り上げられている。
『環礁』(かんしょう)は、中島敦の短篇紀行集である。副題は『ミクロネシヤ巡島記抄』。全6篇。作者の中島敦は公学校用の教科書編纂のために1941年(昭和16年)7月から1942年(昭和17年)3月まで、南洋庁の官吏としてパラオに赴任しており、その間に南洋群島各地の学校を視察するかたわら様々な物を記録している。本作には南洋特有の珍しい文化や風物だけではなく、島民と内地人との人間関係や......