『焔に向かって』(ほのおにむかって、フランス語:Vers la flamme)作品72はアレクサンドル・スクリャービンの最後のピアノ曲の一つ。1914年に作曲された。作品の開始に現れる動機(C#-D)が繰り返されるうちに、徐々に息の長い旋律線に成長するよう作曲されており、ラヴェルの《ボレロ》に先駆けて、クレッシェンドが構成原理に利用されている。当初は「ピアノ・ソナタ第11番」として着想されたが、上記のように、従来のソナタ形式とは大きくかけ離れた楽曲構成法のため、ソナタではなく、スクリャービン自身によって「詩曲」に分類された。ホロヴィッツによると、スクリャー......
『焔に向かって』(ほのおにむかって、フランス語:Vers la flamme)作品72はアレクサンドル・スクリャービンの最後のピアノ曲の一つ。1914年に作曲された。作品の開始に現れる動機(C#-D)が繰り返されるうちに、徐々に息の長い旋律線に成長するよう作曲されており、ラヴェルの《ボレロ》に先駆けて、クレッシェンドが構成原理に利用されている。当初は「ピアノ・ソナタ第11番」とし......