樽屋(たるや)は、江戸の町政を司る町年寄三家の1つである。家紋は桔梗。江戸草創期以来の旧家で、町年寄を世襲で勤め、当主は樽屋藤左衛門と名乗った。三家に順位をつけると、奈良屋・樽屋・喜多村家ということになり、町年寄の家格としては第2位となる。樽屋の拝領屋敷は本町二丁目にあり、場所は江戸城の常盤橋御門を出た本町通りに面した角地であった。160坪ある屋敷地の表側は他の町人に貸し、それぞれ横町から長屋門を入って屋敷に達するようになっていた。樽屋は4人の町人に屋敷を貸しており、その分の年収は明治2年の記録では87両余であった。拝領屋敷の間口13間(京間)のうち東側の......
樽屋(たるや)は、江戸の町政を司る町年寄三家の1つである。家紋は桔梗。江戸草創期以来の旧家で、町年寄を世襲で勤め、当主は樽屋藤左衛門と名乗った。三家に順位をつけると、奈良屋・樽屋・喜多村家ということになり、町年寄の家格としては第2位となる。樽屋の拝領屋敷は本町二丁目にあり、場所は江戸城の常盤橋御門を出た本町通りに面した角地であった。160坪ある屋敷地の表側は他の町人に貸し、それぞ......