杯度(はいど、生没年不詳)は、中国の東晋代より南朝宋代にかけていたという神異・風狂の僧である。杯度とは、彼が木の杯を河水に浮かべ、それに乗って渡(度に通ず)河したことによる俗称であり、俗名はおろか、僧名も詳らかではない。梁の慧皎の『高僧伝』巻10には「宋京師杯度伝」として立伝され、数々の俗間における神異の行跡が記録されている。初めて北方から都の建康の近郊に現われた時は、年恰好が40歳位であって、索を帯にし、襤褸をまとった姿は殆ど半裸であったという。その言動は不可解なもので、喜怒哀楽の差が激しかった。ある時は結氷した川面で沐浴を行い、ある時は履をはいたままベ......
杯度(はいど、生没年不詳)は、中国の東晋代より南朝宋代にかけていたという神異・風狂の僧である。杯度とは、彼が木の杯を河水に浮かべ、それに乗って渡(度に通ず)河したことによる俗称であり、俗名はおろか、僧名も詳らかではない。梁の慧皎の『高僧伝』巻10には「宋京師杯度伝」として立伝され、数々の俗間における神異の行跡が記録されている。初めて北方から都の建康の近郊に現われた時は、年恰好が4......