杜錫(と しゃく、生没年不詳)は、西晋の人物。字は世嘏。杜預の嗣子。若くして盛名があり、高潔にして忠誠の厚い人であったという。初め長沙王・司馬乂の文学として仕官、累進して愍懐太子の中舎人となる。杜錫の太子を諫める言葉は、噛んで含めるように懇ろであったが、太子はそれを煩しく思い、杜錫がいつも坐る絨毯に針を忍ばせておいた。何も知らない杜錫が坐ったところ、針によって傷つき、血が流れた。後日、太子が「何があったのか」と尋ねたところ、杜錫は「酔っておりましたので判りません」と答えた。太子は杜錫を問い詰めて、「あなたは人を責めて喜ぶくせに、どうして自分から過ちをなすの......
杜錫(と しゃく、生没年不詳)は、西晋の人物。字は世嘏。杜預の嗣子。若くして盛名があり、高潔にして忠誠の厚い人であったという。初め長沙王・司馬乂の文学として仕官、累進して愍懐太子の中舎人となる。杜錫の太子を諫める言葉は、噛んで含めるように懇ろであったが、太子はそれを煩しく思い、杜錫がいつも坐る絨毯に針を忍ばせておいた。何も知らない杜錫が坐ったところ、針によって傷つき、血が流れた。......