「文字禍」(もじか)は、中島敦の短編小説である。アッシリアの碩学ナブ・アヘ・エリバ博士が、文字の霊が人間に及ぼす災いについて研究しアッシュールバニパル王に進言するものの認められず、最後には文字の霊の祟りで圧死してしまうという物語である。1942(昭和十七)年、深田久弥の推薦によって『文學界』5月号に「山月記」とともに掲載され、中島が文壇に登場する作品となった。「山月記」「狐憑」「木乃伊」と合わせた連作『古譚』は、同年7月に筑摩書房から刊行された単行本『光と風と夢』に収録される。
「文字禍」(もじか)は、中島敦の短編小説である。アッシリアの碩学ナブ・アヘ・エリバ博士が、文字の霊が人間に及ぼす災いについて研究しアッシュールバニパル王に進言するものの認められず、最後には文字の霊の祟りで圧死してしまうという物語である。1942(昭和十七)年、深田久弥の推薦によって『文學界』5月号に「山月記」とともに掲載され、中島が文壇に登場する作品となった。「山月記」「狐憑」「......