『報恩記』(ほうおんき)は、芥川龍之介の小説。1922年(大正11年)に『中央公論』誌上にて発表された。安土桃山時代の京都を舞台にした歴史小説。盗賊と廻船商人、商人の勘当された息子の3人が南蛮寺の宣教師や聖母マリアに真実を吐露する形式で、「恩返し」「迷惑な恩返し」「仕返しとしての恩返し」の有様を描いている。三者がそれぞれ語るという意味では、『藪の中』の構成に近い。しかし、三者の発言が矛盾する『藪の中』とは異なり、当作品では三者の証言が正確に組み合い、恩返しや親孝行に隠されたエゴイズムを描いている。
『報恩記』(ほうおんき)は、芥川龍之介の小説。1922年(大正11年)に『中央公論』誌上にて発表された。安土桃山時代の京都を舞台にした歴史小説。盗賊と廻船商人、商人の勘当された息子の3人が南蛮寺の宣教師や聖母マリアに真実を吐露する形式で、「恩返し」「迷惑な恩返し」「仕返しとしての恩返し」の有様を描いている。三者がそれぞれ語るという意味では、『藪の中』の構成に近い。しかし、三者の発......