可翁(かおう、生没年不詳)は、鎌倉時代末期~南北朝時代にかけて活躍した画人。黙庵らと共に日本の初期水墨画を代表する存在として名高いが、その実体については謎が多い。彼の作品に押捺されている二つの印章の解釈に従い、二通りの説がある。一つは、「可翁」の朱文方印の下に「仁賀」と判読される小さな朱文方印が押されることから、「可翁仁賀」という「賀」の字が付く事が多い詫磨派の絵仏師であるとする説。もう一つは「可翁」の方を重視し、可翁宗然という禅僧とする説である。この可翁は、筑後国出身で建長寺の南浦紹明に参じた後、元応2年(1320年)に元に渡り中峰明本、古林清茂などに参......
可翁(かおう、生没年不詳)は、鎌倉時代末期~南北朝時代にかけて活躍した画人。黙庵らと共に日本の初期水墨画を代表する存在として名高いが、その実体については謎が多い。彼の作品に押捺されている二つの印章の解釈に従い、二通りの説がある。一つは、「可翁」の朱文方印の下に「仁賀」と判読される小さな朱文方印が押されることから、「可翁仁賀」という「賀」の字が付く事が多い詫磨派の絵仏師であるとする......