画像引用元: bach-fuga.up.n.seesaa.netパッサカリアとフーガ
パッサカリアとフーガ ハ短調(Passacaglia und Fuga c-moll)BWV582は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが1710年頃に作曲したと推定されるオルガン曲の一つ。20回にわたって8小節の変奏を繰り返す曲である。パッサカリアの低音主題の前半はフランスの作曲家アンドレ・レゾン(1650年以前 - 1719年)が1688年に出版した「オルガン曲集第1巻」に載った「第2旋法によるオルガン・ミサ」中の『パッサカリアによるトリオ』と『シャコンヌによるトリオ』の低音主題と同じである。また、この主題の最初の10音は、ニ短調に移調すれば聖霊降臨後第10主日ミサの聖体拝領唱Acceptabis sacrificium(Liber Usualis p.1023)の冒頭と一致する。124小節にも及ぶ終盤のフーガを第21変奏と見なして、単に「パッサカリア」と呼ぶこともある(以下「パッサカリア」と表記)。この作品はバッハ自身の手ではなく、兄による筆写譜で伝承されている。当時著名だったオルガン奏者の代表曲に加えて、有名な「フーガ BWV578|小フーガ ト短調」(BWV578)やパッサカリアなどゼバスティアンの初期作品15曲を含むクリストフの筆写譜は、のちにゼバスティアンの甥ヨハン・アンドレアスが所有したため「アンドレアス・バッハ本」と呼ばれている。フィリップ・シュピッタはパッサカリアの成立年代を、ヴァイマル時代の中でも円熟期といえる1714年頃と想定した。しかし20世紀の学者は、同じくクリストフが1705年-1713年に筆写した「メラー手稿譜」と比較検討した結果、パッサカリアを書いたクリストフの筆跡が「メラー手稿譜」後期と酷似することから、シュピッタの予想より早いヴァイマル初期の1710年頃に筆写したものと判断した。レゾンの主題は4小節だが、バッハは8小節に拡張した。パッサカリアの伝統にのっとり、アウフタクトで始まる3/4拍子の主題をペダルに置いた。序盤から中盤にかけての168小節にわたる主題提示と20変奏を要約すると、5変奏ごとに4つの節に分けられ、次のようになる。
