H定理(エイチていり)とは統計力学で、理想気体のエントロピーが不可逆過程では増大することを示す定理。すなわち熱力学第二法則を分子論的に説明するものである。ボルツマンがボルツマン方程式の考察から1872年に導いた。微視的には可逆(時間反転可能)なはずの力学的過程から、エントロピーの不可逆な増大が結論されるということで、当時から大いに議論を呼び、現在でも一般的に証明されたとはいえない状況にある。なお、この定理は現在ではエイチ定理と呼ばれるが、<math>H</math> はラテン文字のエイチではなくギリシャ文字 <math>\\eta</math> (エータ)......
H定理(エイチていり)とは統計力学で、理想気体のエントロピーが不可逆過程では増大することを示す定理。すなわち熱力学第二法則を分子論的に説明するものである。ボルツマンがボルツマン方程式の考察から1872年に導いた。微視的には可逆(時間反転可能)なはずの力学的過程から、エントロピーの不可逆な増大が結論されるということで、当時から大いに議論を呼び、現在でも一般的に証明されたとはいえない......