菩薩戒(ぼさつかい)、もしくは大乗戒(だいじょうかい)とは、大乗仏教における菩薩僧と大乗の信者に与えられる戒律である。このうち、日本において菩薩戒の代表とされる大乗『梵網経』に基づく「梵網戒」は、下述するように、南都六宗以来、大きな論争の的になってきたものであり、その後の日本の仏教史の変遷にも極めて大きな影響を与えている。現在の日本では戒律が途絶えているために、「大乗戒」と呼ばれる大乗仏教における戒律の詳細が忘れられているので、根本仏教に依所する「三聚浄戒」(さんじゅじょうかい)を、本来は別の戒律である大乗仏教における各種の菩薩戒の総称として用いていて、そ......
菩薩戒(ぼさつかい)、もしくは大乗戒(だいじょうかい)とは、大乗仏教における菩薩僧と大乗の信者に与えられる戒律である。このうち、日本において菩薩戒の代表とされる大乗『梵網経』に基づく「梵網戒」は、下述するように、南都六宗以来、大きな論争の的になってきたものであり、その後の日本の仏教史の変遷にも極めて大きな影響を与えている。現在の日本では戒律が途絶えているために、「大乗戒」と呼ばれ......